願成寺
会津大仏のある願成寺
願成寺(がんじょうじ)は、福島県喜多方市にある浄土宗の寺院で、山号は叶山。会津大仏で知られています。
嘉禄3年(1227年)、浄土宗の開祖法然上人の高弟の隆寛律師が開山、弟子の実成房上人が開基したと伝えられており、多念義派の本山となっています。
門を通り、本堂脇の太鼓橋をくぐり石畳の道を進みます。すると大仏殿が現れます。中に入ると国指定重要文化財「木造阿弥陀(あみだ)如来・両脇侍坐像」が迎えてくれます。中央に像高約2.4mの木造阿弥陀如来、右に観音菩薩(ぼさつ)、左に勢至菩薩が鎮座しています。阿弥陀如来は県内でも有数の巨大仏像で「会津大仏」と呼ばれ、親しまれています。
会津大仏は鎌倉時代の作といわれ、寛文8年(1668年)に現在の願成寺に移されたとされています。大仏は寄せ木造りで、阿弥陀如来の大きな光背にある無数の千体仏は、祖先と現世に生きる自分、やがて生まれてくる子孫が「お念仏」の中で共に生きる姿を表しているそうです。一部なくなっている千体仏は、第二次世界大戦中、出兵する地元の若者が、無事に帰れるようにと願って千体仏を預かり、そのまま戻らなかった名残であると言います。(生還できればお返ししたそうです)
願成寺には、会津大仏のほかにも本堂の三十三観音や二十五菩薩、千仏堂の十三仏など多くの仏像があります。鎌倉時代から室町時代にかけて作られた県指定重要文化財の木造行道面六面もあります。10月の「御十夜会」と大みそかに行う練供養(念仏行道)は、六面以外に復元した行道面を1人がかぶり、もう1人が支えて境内を歩く伝統行事となっています。
重要文化財(国指定)
- 木造阿弥陀如来及び両脇侍坐像
福島県指定重要文化財
- 木造行道面
- 願成寺 本堂
- 旧阿弥陀堂
- 山門