伊勢屋
上品なほのかな甘さと、歯切れの良さが絶品の「椿餅」。
伊勢松坂城主だった蒲生氏郷一行と会津に入り、そのまま会津に土着。会津若松市南町(鶴ヶ城近く)にて江戸時代に創業、戊辰戦争後は大町(現在の店舗)に店を移し、現在は9代目が店を守っている。
創業当時は御用商人として、會津藩に菓子をおさめていた。
椿餅は、鶴ヶ城にある椿坂にちなんでつけられた名前だと言われている。
米粉・小麦粉・砂糖・醤油を主な原料とし、それらをおおきな蒸篭に流し込み、蒸してから切り分ける。古い製法のお菓子で、この地方にひろく伝わる「ゆべし」にあたる。
この椿餅を作る上での要は「水」となる。その日その日の天候に合わせ、水加減、温度加減を調整。気温や湿度の変化が激しい季節の変わり目は特に、職人の腕のみせどころだ。
上品なほのかな甘さと、歯切れの良さは、小さな子供から年配の方まで楽しめる。小振りな大きさがまた食べ易く、ついつい手がのび、あっという間に数個を平らげてしまう、そんな後ひく旨さがやみつききになる。
添加物・保存料をつかわないため、3日(夏場は2日)しか日持ちしないが、その分安心していただける。おみやげに持ち帰りたいという希望が日に日に多くなった為、現在の店主が真空パックを開発(日持ちは4週間)。真空パックの椿餅は、開封しないものをレンジで少し温めて食べると美味しい。冷凍保存も可能。
「白虎」は伊勢屋の登録商標。7代目が取ったこの白虎という名をつけた菓子を創ろうと、現在の店主が白虎饅頭を開発。一口大サイズの白虎饅頭は、甘露煮の栗と甘さ控えめの餡が入っている。箱小売りだけで、個小売りはしていない。
店売りを専門とし、地元のお客さんを何よりも大切にしている。実際に常連客の大方は地元のお客さんだ。長年真空パックを開発しなかった理由の1つには「2〜3日という期限の中で最大の美味しさを感じて欲しい。なくなったらまたちょこちょこと店に来て欲しい。」という想いが強かった事もある。
会津若松市内では、ヨークベニマル、KIOSK、鶴ヶ城天守閣売店、武家屋敷のみで販売。